不登校児に「学校へ行きなさい」はダメ?
子供が学校へ行こうとしなければ、親が「学校へ行きなさい」と言うのは当たり前です。しかし、不登校が続くと、どのタイミングで言えば良いのか分からなくなります。しかも、様々な情報の中には、不登校の子供に「学校へ行きなさい」は禁句だと書いてある場合もあります。こうなると、何をどうすれば良いのか判断できなくなるのは仕方ないと言えます。
子供が学校へ行かず家に閉じこもるようになり、子供に大きな変化が見られないように感じても、時間の経過と共に子供の精神状態に変化は起こっています。そのため、学校へ行くよう促して良い時期と悪い時期があります。
一般的な不登校の子供の精神状態
@学校を休むようになる直前
学校へ行こうとすると、腹痛など体調不良を訴えるようになり、学校では居心地の悪さを感じ学校生活に変化がみられるようになる。
A学校を休みがちになる
体調不良を訴えるだけでなく、実際に学校を休むようになる。親が学校へ行くよう促したり叱ったりすることによって、この段階では学校へ行くこともあるが断続的に休むようになる。
B連続して学校を休むようになる
親が学校へ行くよう説得しても、体調不良を訴えたり布団から出ないなどの抵抗をし、連続して学校を休むようになる。
C部屋に閉じこもるようになる
毎日のように学校へ行くよう説得(叱るなど)を続けると、それに反発するかのように家族との接触を避け、部屋から出てこず閉じこもりがちになる場合が多い。当然、外出もしない。
D部屋から出てくるようになる
親が学校に関することを言わなくなると、部屋に閉じこもることはなくなり、学校の話しさえしなければ、家の中では普通に生活するようになるが外出はしない。
E学校の話が出来るようになる
登校はしないが、家族と学校の話も出来るようになり、外出したり友達と会うことも出来るようになる。
F学校へ行き始める
最初は不安を抱えたままであるため、多少なりとも勇気が必要にはなるが、いよいよ学校へ行けるようになる。
@〜Bの時期は、親などが学校へ行くよう促すことはダメとは言えません。その段階では、子供自身が心の中の葛藤を乗り越える可能性が高いとは言えないまでも、可能性がゼロとも限らないからです。しかし、Cの時期になると、「学校へ行きなさい」などの言葉をかけることは、逆効果になる可能性が非常に高いといえます。従いまして、子供に学校へ行くよう促すのは、@・A・E・Fの時期だけにするのが賢明です。
@〜Fの期間は、子供によって大きく違います。しかし、@〜Fの期間を出来るだけ短くする方が良いのは明白で、特にB〜Cの期間を短くすることは重要です。
初期段階の対応
@〜Bの初期段階では、親は驚きと戸惑いで子供の状態を正しく判断できず、強い口調で学校へ行かせようとすることが少なくありません。しかし、初期段階で学校へ行くよう促しても、不登校が改善しないのであれば、親はそれを受け入れ冷静になる必要があります。冷静にならなければ感情的になってしまい、子供に怒りをぶつけるような対応をしてしまいかねません。自分の子供が不登校だと認めるのは辛いかも知れませんが、事態を悪化させないためにも冷静さを取り戻すことに努めて下さい。親が不安定な状態だと、それを察した子供は余計に不安が増すものです。
子供にとって、家は安全地帯でなければなりません。追い詰められたり、不安を払拭できないでいる子供には、安全な逃げ場所を確保してやることも必要です。
親が現実を受け止めることが大切
各家庭環境は様々で一括りに話をすることは出来ませんが、母親だけが不登校問題に向き合っている場合が少なからずあります。母親だけが苦しみを抱え込み、父親は仕事があるから…などと逃げていては、父親は不登校をただのサボり病としかみることが出来ません。そのような父親ほど、あとになって、最初にもっと子供を理解して対処すべきだったなどと考えてしまいがちです。そのような後悔を感じるくらいであれば、母親に任せっきりにするのではなく、最初の段階で父親も子供と向き合って学校へ行くよう促してみて下さい。それを実際に体験することによって、不登校になった子供の状態を受け入れることも出来るようになります。親が様々な人に相談したとしても、子育てをするのは親です。その親がしっかりと現実を受け止められる状態になることは、子供にとって非常に大切なことです。
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