不登校が「転校」で改善しない理由
不登校を解決する策として、転校を考える親御さんは少なくありません。ただ、転校することによって、不登校が…
誰もが考える転校という手段
子供が学校へ行くのをイヤがった場合、親なら誰でも最初は学校へ行くよう促します。最初のうちは、親から見れば、子供の単なるサボり病だとしか見えませんから…。ただ、どれだけ言い聞かせても、学校へ行こうとせず何日も休むようになると、親はどうすれば良いのか分からなくなります。そして、多くの親が辿り着く解決法が「転校」です。
そこで、子供のために引っ越して転校する家庭もあります。ちなみに、学区外への転校理由が正当と認められれば、引っ越さずとも学区外の学校へ転校することは出来ます。その判断は市町村によって違いはありますが、概ね下記のような理由で認められています。
学区外への転校が認められる事由
・精神的・身体的な理由によって指定校への通学が困難な場合
・病院へ通院するため指定校へ通学することが困難な場合
・特別支援学級などに就学する必要がある場合
上記以外にも、一時的な引越しや指定変更区域に定められている学校へ通学を希望している場合なども認められることが多いようです。あと、最終学年で引っ越すことになり、学校生活が残り僅かな場合も認められるようです。いずれにしましても、不登校を改善させるためという理由であれば、転居せず学区外の学校へ行くことは大抵認められています。
転校は不登校解決の有効な手段?
子供が不登校になった場合、違う学校であれば、そこでは子供の過去を知る生徒がいないため、学校へ行きやすくなるのではと考える親は少なくありません。確かに、学校を変えることによって、不登校が治ることもあります。
しかし、子供の精神的な回復が再登校できるレベルに達していなければ、違う学校へ通ったとしても同じことを繰り返してしまう可能性が高いと言えます。実際には、転校で不登校が解決することは少なく、転校したことによって再登校までの道のりが遠のく可能性は低くありません。
なお、せっかく転校するために引っ越しても、登校しないばかりか、登校の話さえ出ないままということもあります。不登校になる原因の多くは対人関係であるため、新しい学校は知らない先生ばかりで、しかも気軽に話が出来る友達もいないため、転校が心機一転するチャンスに思えるかも知れませんが、学校に行くという事に対して気後れしてしまう要因でもあります。
転校は公園デビューと同じ
お母さんたちの「公園デビュー」を思い浮かべて下さい。小さな子供たちを遊ばせているお母さん達は、公園の中でママ友の関係を築き上げています。そこへ新しく引っ越してきた人が、そのママ友の輪の中へ入るのは結構難しく勇気がいるモノです。だからこそ、お母さんの「公園デビュー」が度々取り上げられるのですが、そのように大人であっても新しい環境に馴染むのは難しいものなのです。ましてや、不登校になった子供に、すでに築き上げられている友達関係の中に飛び込ませるのは、酷な場合が少なくないのです。
では、どうすれば良いのか?
子供が不登校になった場合、親だけで解決できない場合が多いため、児童相談所や心理クリニックなど相談できる機関を探して、親だけで問題を抱え込まないようにする必要があります。ただ、それらの相談機関は、担当者によっても違いがあるため、どうしても合わない場合があることも知っておかなければいけません。それを踏まえた上で、子供に合った相談者を探す必要があります。
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