子供 前向き 質問の仕方

子供が前向きになる質問の仕方

 

不登校になったときに限ったことではありませんが、子供に何かあった場合、親は結論を早く出そうとしてしまいます。そのため、子供に事情を確認するために一応質問をしますが、子供の話をよく聞かないうちに「○○しなさい」などと命令口調で結論を出してしまいがちです。これでは、子供は納得できないどころか、親の言うことを理解することも出来なくなります。

 

親がそのような行動に出てしまうのは、子供の行動や言動が自分の価値観に合わない場合、子供の話を受け入れる余裕が持てず、すぐに否定してしまいたくなるからです。だから、頭ごなしに「それは違う」「怠けるな」「常識で考えろ」などと否定的な言葉を使って従わせようとしてしまいます。

 

これは、親が怠慢なためではなく、逆に熱心に子供を良い方向へ向かわせようとするからです。だから、そのような対応を全否定する訳ではありませんが、子供が良い方向へ向かいやすくなるように、上手く誘導する工夫は考えなくてはいけません。

 

ましてや、不登校の子供は心を閉ざしがちです。子供は信用できる相手でなければ、素直に従おうとする気持ちになれません。そのため、まず親はイライラせず、精神的な余裕を持つ必要があります。子供は、いつまでも不登校でいようと思っている訳ではなく、授業を受けないままであれば勉強のことも気になっているのです。しかし、それでも学校へ行けないのです。このジレンマを親が受け止め理解するところから始めなければいけません。

 

子供が前向きになる質問の仕方

同じ意味のことを言っても、言葉の選び方次第で、子供が受けるイメージは全く違ったものになります。人間は、過去のことを質問された場合と未来のことを質問された場合とでは、感じ方に大きな違いが出ます。

 

例えば、「何故やらなかったのか?」と「どうすれば上手くできるかな?」では、前者が過去形で後者が未来形です。多くの場合、過去形の話をすると子供を追い詰めるような感じになります。逆に、未来系の言葉を使えば、子供にヤル気を起こさせやすくなる傾向にあります。

 

その際、親は焦らずに、子供の話をじっくり聞くことが大切です。子供が話している途中で口を挟んでしまう親は少なくないのですが、そこは我慢して話を聞いてあげて下さい。そのとき、適度にうなずいたり、「うん、うん」などと相づちを打つと、子供は親が理解しながら聞いてくれていると感じ、安心して話すことが出来ます。あと、子供が「今日、○○をしたんだ」と言えば、「○○したんだね」と同じ言葉を使ってオウム返しのような感じで応えてあげると、波長が合って子供は余計に話したくなるものですが。ただ、そこで大事なのは、同じ言葉で返すことです。「今日、○○をしたんだ」と子供が言った際、親が「△△はしなかったの?」などと、全く違った言葉で返すと、話がギクシャクしてくる場合が少なくありません。どうしても、親は子供の話に対して、意見で返したくなるので気を付ける必要があります。

 

他には、子供が一通り話し終えたあと、親が子供の話を上手く要約してあげるのも、親と素直に話そうと思わせることが出来る良い方法です。例えば、子供の話を聞いて、「誰が(WHO)」「どこで(WHERE)」「いつ(WHEN)」「何を(WHAT)」「なぜ(WHY)」「どのように(HOW)」を順序よく明確にして言い換えてあげると、子供は「その通り」「言いたかったのはソレ」などと反応し、分かってもらえていることを実感します。ただし、あくまで子供の話を要約するだけで、話の中に親の意見を入れてはいけません。あと、「なぜ(WHY)」は動機を尋ねる言葉になるため、慎重に使わなければ、子供は防衛的になり素直になりにくくなる可能性があります。例えば、不登校の子供に「なぜ学校へ行かないの?」と言うのは、子供自身が原因を明確に出来ていなければ、上手く応えられるハズもなく、仮りに明確であっても、特に不登校の初期段階では答える気分になれない場合が少なくありません。

 

なお、子供の感情が理解できていることを伝えることも、子供に安心感を与えます。例えば、子供が話したあと、「痛かったんだね」「イヤだったんだね」などと子供の感情を明確にしてあげると、子供は分かってもらえていると感じ安心感を抱くことが出来ます。

 

ただし、理解してもらえたという実感を子供に抱かせても、それは親が子供の考えに賛成するということではありません。そこまでの行動は、親が子供の話をしっかり聞いたということです。子供の話を聞くのは、子供の気持ちを明確にすることが目的で、そのあと親としての判断を下し、子供に伝えなければいけません。

 

その際、親として最良のアドバイスを伝えたつもりでも、それを受け入れるかどうかは子供が判断するものです。いつも子供が親の思い通りになるはずはなく、子供は自分の考えで行動します。ただ、子供に受け入れさせたいのであれば、攻撃的な言葉は控えるべきです。攻撃されれば、誰でも反射的に対抗しようとしてしまいます。そのため、「あなたは、○○がいけない」などのように、相手を主語にした話し方をすると非難や否定の言葉になりがちです。逆に、「私は○○だと思う」などのように、自分を主語にすると相手を攻撃する言葉になりません。

 

 

 

 

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